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学生優秀賞
無機ヒ素曝露によるリンパ球増殖抑制に関わるp130増加のメカニズム
岡村 和幸
(筑波大学大学院生命環境科学研究科環境科学専攻2年)
(連携大学院国立環境研究所環境健康研究領域分子細胞毒性研究室)

 この度は第17回日本免疫毒性学会学術大会学生セッションにおいて優秀賞に選んで頂き誠に有難うございます。学生セッションは今回から出来たということで、栄えある最初の賞を頂き、とても光栄に思います。

 今回賞をいただいた研究ではヒ素をマウスBリンパ腫細胞株A20細胞に曝露すると、細胞周期に関連するpRbファミリータンパクの一つであるp130のタンパク量が増加し、その増加にはプロテインホスファターゼが関与する可能性を明らかにしました。

 ヒ素曝露により増加するp130はHDAC、E2F4と複合体を形成することから、近年研究が盛んに行われているエピジェネティクス作用の関与が示唆されます。そこで今後はその他のヒストン修飾変化やヒストン修飾以外のエピジェネティクス変化であるDNAメチル化状態などをE2F結合領域で検討し、免疫細胞での環境化学物質が引き起こすエピジェネティクス作用を明らかにしたいと思います。また環境化学物質によるエピジェネティックな変化は転写因子の活性変化を介したE2F転写因子以外でも十分に起こりうるので、そのような観点から検討を進め、環境化学物質が及ぼすエピジェネティックな作用のメカニズムと転写因子の関連を解明したいと考えております。

 私は大学まで物理学を専攻しており、この分野に飛び込んでまだ日が浅いですが、しっかり考え最前線の研究を行う研究者を目指して、これから日々精進してまいりたいと思います。本当に有難うございました。
 
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