第5回日本免疫毒性研究会報告


第5回研究会事務局長 竹下達也
1999; 4(1), 1-2

 第5回免疫毒性研究会は,平成10年9月21日(月),22日(火)の2日間,千里ライフサイエンスセンター(大阪)のライフホールにおいて開催された。今回の研究会は,第32回日本産業衛生学会アレルギー・免疫毒性研究会との合同開催として行われた。

 1日目は,まず本研究会の実行委員長である大阪大医学部環境医学の森本兼曩教授による「ライフスタイルとアレルギー・免疫毒性」の基調講演があった。またシンポジウムは,「神経・内分泌を介した免疫毒性」と題して,5題の発表があった。ストレス,性ホルモンと免疫との関連を中心に充実した討論が行われた。最後に英国Zeneca Central Toxicology Laboratory のKimber 博士によるChemical Allergyについての特別講演があった。博士の精力的な研究成果の一端が披露され感銘を与えた。

 2日目は,午前中の一般演題に引き続いて,午後は北里大医学部の石川 哲教授による「環境化学物資の生体への影響―とくに化学物質過敏症―」と題した特別講演があった。最近注目を集めている化学物質過敏症を中心に含蓄のあるお話をうかがうことができた。ワークショップは「抗原性試験のあり方」と題して代表的な抗原性試験の現状および製薬協アンケート調査の結果など5題の発表が行われた。一般演題は,19題が発表され,活発な質疑が行われた。

 今回の参加者は,会員100名,非会員38名であり,前回の研究会にくらべるとやや減少した。しかし初めて東京を離れた研究会であったことを考えるとまずまずではないかと思われる。また,合同開催となった日本産業衛生学会のアレルギー・免疫毒性研究会の会員の方も多数参加されて,相互交流が深まったことは大きな収穫と考えている。開催1日目に行われた懇親会の参加者は48名であったが,事務局等も含めて70名近くが参加し賑やかに行われた。

 最大の反省点は,寄付依頼の時期が遅すぎたことである。プログラムの概要は4月までに確定していたので,すぐに動くべきであった。このような不手際にもかかわらず幹事の先生方には多くのお力添えをいただき,深く感謝申し上げる次第である。またポスターの作成が遅れてしまい,1種類のみの作成で終わってしまったのも反省点の1つである。

 会場は新大阪駅から地下鉄で15分弱と交通の便が良く,良い会場であったと思う。しかし2日目の午後,研究会会場上空を台風が通過するという思いがけない事態となり,事務局はどうなることかと肝を冷やした。それにもかかわらず,多数の方の御参加を得て,成功裏に終了することができたのは,ひとえに会員の諸先生方の御熱意によるものである。この場を借りて厚く感謝申し上げたい。次回は,本研究会の代表幹事である名倉宏教授を実行委員長として仙台において開催されるが,多くの参加者を得て盛会となることを祈念している。