≪免疫毒性試験プロトコール 1≫

「免疫毒性試験プロトコール(仮題)」の編集・発行について


1995; No.1, p4-5


澤田純一,高橋道人,中村和市,牧栄二,吉田武美
試験法ワーキンググループ

 昨年度の第1回研究会の後,免疫毒性試験法ワーキンググループでは数回の会合を持ち,意見交換を重ねてきましたが,免疫学会編集の免疫実験操作法のようなものを順次整備できたら良いという意見が多く出されました。英語で書かれた実験書が近日中に出版されるという情報もありますが,日本語で読める実験書への要望が強いのも事実と思われます。免疫学会編の免疫実験操作法は,マウスを用いる免疫機能試験法のかなりの部分をカバーしていますが,最近の免疫薬理学的な実験手法に関しては,カバーされていない部分があろうかと考えられます。また,免疫毒性試験にラットを初めとする他の動物を用いる機会が多くなることも予想されます。これらのことを考慮致しまして,「免疫毒性試験プロトコール (仮題) 」を研究会として編集・発行する計画を進めております。取り敢えずは,国内外のガイドラインに対応できる操作法やラットを用いる操作法を手始めに原稿を集めたいと考えます。

 本年12月を目処として原稿を集め,来年初めには'96年版を発行することを目標にしております。目次としては下記の様な項目 (最終案ではありません) の下に個々の操作法を分類していきたいと思います。全ての項目を短期間に網羅することは難しいと予想されますため,2-3回は年毎の分冊の形で発行し,最終的には成書としての体裁を整え,適当な間隔で改訂できればと思います。また,書式としては,免疫実験操作法と同様なものを想定しており,個々の操作法毎に著者名を掲載する予定です。

 正式には,第2回免疫毒性研究会にてご了承を頂いた後,実行に移す運びとなりますが,予め「免疫毒性試験プロトコール」へのご寄稿をそれぞれの専門の研究者の方にお願いすることになるものと思われますので,積極的なご参加をお願いする次第です。寄稿のご希望や編集に対するご意見等ありましたら,ご遠慮なく下記までFAXにて,お知らせ下さい。

 (連絡先) FAX 03-3707-6950 国立衛生試験所 機能生化学部 澤田純一宛

免疫毒性試験プロトコール (免疫毒性研究会編)

目次 (案)

[1]インビボ免疫毒性試験
 1-1.全体計画及び動物飼育
 1-2.投与方法, 暴露方法
 1-3.一般検査
 1-4.血液学的検査
 1-5.病理組織学的検査
 1-6.非特異的免疫機能検査 (註1)
 1-7.特異的免疫機能検査 (註2)
 1-8.宿主抵抗性
 1-9.自己免疫 (非特異的) 誘起能
 1-10.その他の検査

[2]インビトロ免疫毒性試験
 2-1.基本操作
 2-2.非特異的免疫
 2-3.体液性免疫
 2-4.細胞性免疫
 2-5.自己免疫
 2-6.その他

[3]免疫原性試験
 3-1.即時型アレルギー
 3-2.遅延型アレルギー
 3-3.自己免疫 (薬物特異的)

[4]免疫毒性と安全性評価

[5]関連参考資料

 (註1) インビボ抗原投与を要しないもの
 (註2) インビボ抗原投与を要するもの