ImmunoTox Letter

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新評議員より
評議員就任にあたって

小池英子
国立環境研究所環境リスク・健康研究センター
病態分子解析研究室

小池英子先生
小池英子先生

 このたび日本免疫毒性学会の評議員を拝命させて頂くことになりました国立環境研究所の小池英子と申します。ご推薦頂きました先生方、ご承認頂きました理事の先生方に厚く御礼申し上げますとともに、本紙面をお借り致しまして、会員の皆様にご挨拶させて頂きます。
 私は、東邦大学理学部を卒業後、筑波大学医科学研究科修士課程、同大学医学研究科博士課程に進み、環境汚染物質の免疫毒性に関する研究に取り組んでまいりました。学生時代は(当時)国立環境研究所の小林隆弘先生のご指導の下、オゾンや二酸化窒素等のガス状の大気汚染物質が呼吸器に与える影響と肺胞マクロファージの役割に関する研究を中心に行い、大学院修了後は、国立環境研究所PM2.5/DEP研究プロジェクトに所属し、PMやDEP、ナノマテリアルといった粒子状物質が呼吸器系や免疫・アレルギーに及ぼす影響とその機構に関する研究を行いました。そして2007年以降は、主に生活用品に由来する化学物質(可塑剤のフタル酸エステル類や臭素系難燃剤等)の影響について、免疫応答の攪乱とその分子メカニズムに注目した研究に取り組んでいます。また最近では、肥満等の生活習慣病も含めた慢性炎症に化学物質が与える影響について、免疫担当細胞のみならず、実質組織の細胞との細胞間クロストークにも着目した検討を進めており、化学物質曝露による慢性炎症の進展に関わる分子メカニズムを明らかにしていきたいと考えております。
 微力ではございますが、本学会の発展に少しでも貢献できるよう努力して参りますので、今後ともご指導ご鞭撻賜りますようよろしくお願い申し上げます。