immunotoxicology.jpg
title1.jpg
Non-category (寄稿・挨拶・随想・その他)
評議員就任にあたって
小川 久美子
(国立医薬品食品衛生研究所病理部)

このたび日本免疫毒性学会の評議員を拝命させていただくこととなり、ご推薦いただきました先生方および、諸先輩方に厚く御礼申し上げます。また、紙面をお借りしまして、皆様にご挨拶させていただきます。

私は、1988年に名古屋市立大学医学部を卒業後、同大学第一病理教室にて伊東信行先生、白井智之先生の御指導のもと、主にげっ歯類を用いた発がんに関する病理学的・分子病理学的研究と外科病理診断に従事してまいりました。2009年からは、国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 病理部にて毒性/安全性に関わる試験・研究をさせていただいております。

私にとって、免疫に関わる疾患との出会いは、まだ何もわかっていない学生の頃に遡ることになると思います。皮膚科の実習で、入院していた SLE の女子高校生に毎日話を聞くように言われたのです。蝶形紅斑や糸球体腎炎を特徴とする自己免疫疾患という机上の特徴は知っていましたが、友達とも遊びたい盛りの活発な女の子が、普通に学校にいくことも、陽にあたる事もできず、少し反抗的に話してくれるのを聞いているうちに、無機的な症状の羅列とその疾患に現実的に向き合う事の違いを強く感じた事を覚えています。

国立医薬品食品衛生研究所に来させていただいてからは、手島玲子先生、安達玲子先生、最上知子先生らと、マウスを用いた免疫毒性試験での病理組織学的検討に参加させていただく機会を得、改めて免疫毒性を評価する事の奥深さを実感させていただいております。

接触皮膚炎や花粉症等のアレルギー疾患および自己免疫疾患をはじめとする免疫毒性に関連した疾患に苦しまれている方はとても多いのが現状であり、原因物質の評価、機序の解明、および予防法の検討が希求されています。

私自身、免疫毒性試験については、まだまだ経験が足りませんが、少しでも貢献できるような研究ができるよう、精進していきたいと考えております。今後とも御指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願いいたします。

 
index_footer.jpg