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Non-category (寄稿・挨拶・随想・その他)
第40回日本毒性学会学術年会における
日本免疫毒性学会合同シンポジウム報告
大槻 剛巳
(川崎医科大学衛生学)

2013年、日本免疫毒性学会は数えで20歳になりました(第0 回大会ってないですものね、生まれた時が第1 回ですから、満年齢でなく「数え」で数えましょう)。それを記念して、2012年の第19回学術大会(ちなみに、21年目からは「学術年会」に統一します(←事務局より))の特別講演として、大沢基保先生による「免疫毒性研究の温故知新―免疫毒性学会の発足経過と20周年への提言」という講演をいただきました。そして、2013年9 月12〜13日に開催されました記念の(成人式の)第20回学術大会では、記念講演シンポジウムとして「免疫毒性学の今後の発展戦略」と題されたセッションが実施されました。

しかし、実は20歳のお祝いのイベントは、こういった本大会以外の処でも、先行して実施されていたのです。

2013年6 月17〜19日、幕張メッセでは、第18回日本免疫毒性学会学術大会の年会長も務められた千葉大学の上野光一先生が、第40回日本毒性学会学術年会を開催されていました。そして、19日、水曜日の朝( 9 〜12時)(ちなみに「水曜の朝、午前3 時」はサイモン&ガーファンクルのデビューアルバムのタイトル、「Wednesday morning at five o'clock as the day begins」はBeatlesの「She's leaving home」の歌い出しの歌詞ですが、いえ、9 時から…さらに、いえ、その日は強風で京葉線が遅れていたため、実際にシンポジウムが開始されたのは9 時10分くらいでしたが)、シンポジウム11として、第4 会場にて「日本免疫毒性学会との合同シンポジウム『免疫毒性の最近の潮流』」が澤田先生と大槻を座長としてスタートしました。

メニューを紹介しましょう(どれもがメインディッシュなのですが)

  • ナノ粒子の安全使用に向けた検討:免疫毒性学の観点から(by 吉岡靖雄、堤康央)
  • 環境汚染物質とアレルギー:毒性影響からかく乱影響へ(by 高野裕久)
  • 環境化学物質の免疫細胞に対する分化・増殖かく乱作用の分子機序(by 野原恵子)
  • アスベストの免疫毒性学的側面と病態への関与(by 大槻剛巳、他5 名)
  • 化学物質の免疫毒性リスク評価ガイダンスについて(by 手島玲子)

冒頭で、澤田先生による本シンポジウムの主旨が延べられ始めたころには、会場は非常に多くの聴衆に溢れんばかりとなっており、勿論3 時間の長丁場でしたので、出入りはあったものの、おそらく延250〜300人の聴衆の方が、この合同シンポジウムを楽しんでいただいた様でありました。少なくとも上野会長の耳には、最近、毒性学会では免疫毒性に関連する演題や企画が少なかったのでとっても興味深かった、との会員の皆様からの声が届いている様です。2013年度に日本免疫毒性学会から奨励賞を授賞された吉岡先生以外は、日本免疫毒性学会でも理事を務める面々(いえ、高齢とは云いません)によるメニューでしたので、である分だけ、包括的で、示唆に富む内容だったと思っております。

さて、2014年度の第41回日本毒性学会学術年会の年会長も、日本免疫毒性学会でも理事・運営委員・国際化委員長をお務めの中村和市先生で、泥鰌はいつでも柳の下にってことでもなく、好評を支えに、今度は活気溢れる日本免疫毒性学会の若手による「次世代研究者による改革的免疫毒性研究」のセッションが組まれる様です。

ほら、既に舞台は新しい幕へ!日本免疫毒性学会、若手のみなさん!未来はあなたの手の中に!!

 
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