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第51回SOTに参加して
新藤 智子
(財団法人食品薬品安全センタ−秦野研究所)

 2012年3 月11日から15日の日程でSan Franciscoで開催されました第51回SOT Annual Meetingに参加してきました。最大の参加目的は14日午前中の「The Allergenicity and immunomodulatory effect of food substances」のシンポジウムセッションにおける発表でした。「Food Sensitization and Its Induction by Immunomodulating Factors」と題し、これまで日本免疫毒性学会で報告してきたマウスの食物アレルギーモデルに関する研究をまとめて発表しました。初めに、通常は経口摂取した蛋白質に対してはアレルギー反応を起こさないため、蛋白質の経口摂取による食物アレルギーを再現することは困難ですが、ヒトの生活環境中因子であるオイルエマルジョンとサリチル酸の併用によって食物アレルギー状態が生じ得ることを示しました。次に、これらの因子によって作製したマウスの食物アレルギーモデルは経口摂取した蛋白質によって感作されてアレルギーを誘発すること、蛋白質のアレルゲン性を識別することなどの特徴を示し、発症メカニズムについて若干の考察を加えました。最後に、パイエル板細胞を用いたin vitro培養系に添加した蛋白質の食物アレルゲン性による反応性の差異について示しました。そして、マウスのモデル(in vivo)は食物アレルギーにおける腸管免疫のメカニズム解明や食物アレルギーを引き起こすimmunomodulatorsの検索、パイエル板培養系(in vitro) は蛋白質の食物アレルゲン性検出にそれぞれ有用なツールとなり得ることを述べました。

 発表が終わっても緊張が解けず、次演者である中村亮介先生が巧みに引き出された聴衆の笑いでようやく我に返った感じでした。座長を務めていただいたDr. Ladics 、手島先生をはじめ、大沢先生、中村和市先生、中村亮介先生と多くのご指導をいただきましたことに、大変感謝しております。

 
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