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Non-category (寄稿・挨拶・随想・その他)
The 51st SOT Annual Meeting参加記
中村 亮介
(国立医薬品食品衛生研究所代謝生化学部)

 このたび、第51回SOTのISS & JSIT joint symposiumの演者として、2012年3 月11日から15日までサンフランシスコ(SF)に行って参りました。風光明媚で知られるSFですが、滞在中はほとんど雨で、残念ながら観光は諦めました。というか、そもそも観光などできるような心理状況ではなかったのですが…。


会場のモスコーニコンベンションセンター

 発表本番3 週間前、日本からの演者である私と新藤先生は、中村和市先生による「特訓」を受けていました。受験直前の特講のようなもので、JSITとしても前代未聞だったそうです。非常に具体的なご指摘をいただき、とてもありがたかった一方で、「うわー、これで本番失敗したらどうしよう…」という不安に襲われたこともまた事実です。

 SFに向かう飛行機の中や、現地滞在中もずっと、自分で吹き込んだ発表原稿のmp3をiPodで聴き続けていました。学会会場でも、ポスター会場で念仏を唱える修行僧のようにブツブツとシャドーイングです。発表前々日には、野原先生が会場の片隅で発表練習に付き合って下さいました。ありがたい限りです。

 発表前日はISSのレセプションがありました。日本の免疫毒性学会でお会いしたことのある先生方が何人もいらっしゃって、お話しする機会もあったのですが、頭の中はやはり発表のことでいっぱいです。それは新藤先生も同じ様子でした。そこへ、ISSのスタッフとして忙しく立ちまわっておられた中村先生がやってきて、何やら新藤先生に神妙な面持ちで話しかけました。何かと思って聞き耳をたててみると、「L [él]、R [ɑːr]」と、本場仕込みの発音を伝授されているのでした。「いや、今言われても…」という新藤先生に激しく同意しましたが、お陰様で緊張がずいぶんほぐれました。


中村和市先生によるL[é l]とR[ɑːr]

 そして発表当日、あっという間に3 人の演者が発表を終え、新藤先生もつつがなく任を果たされました。最後の演者として壇上に上がった私ですが、演者の一人のDr.Breitenederが笑いながら私のスライドの写真を撮っているのを見て気持ちがほぐれたのか、思っていたほど緊張はしませんでした。実は今回、「発表中に会場のユルい笑いを3 回取る」という目標を自分に課していたのですが、それもなんとか達成されました。うち一回は失笑だったような気もしますが…。発表後、フロアでも質問やコメントをいただき、とても有意義な学術交流となりました。

 その夜はISSとJSITのメンバーでフィッシャーマンズワーフへディナーに行ったのですが、その時ようやくSFに来ていることを実感したものです。ダウンタウンへ戻る際、かわいいレトロ電車に乗れたこともいい思い出になりました。残念ながら翌日はもう帰国でしたが。

 最後に、今回共同座長の任に当たられたDr. Ladicsと手島先生を始め、多くの皆様のご尽力・ご指導・ご助言に感謝いたしたいと思います。ありがとうございました。

 
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