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日本免疫毒性学会評議員就任にあたって
山浦 克典
(千葉大学大学院薬学研究院高齢者薬剤学)

 この度、日本免疫毒性学会の評議員に就任させて頂くこととなりました。

 医薬品、化粧品、食品、化学物質等の免疫毒性に的を絞り、医学、薬学、理学、農学等幅広い学問領域の研究者で構成される国際的にも特色ある本学会の評議員を務めさせて頂くのは大変名誉なことと感じております。諸先生方にご指導頂きながら、微力を尽くしていきたいと思っております。

 私が免疫毒性の研究を始めるきっかけとなったのは、大学院生時代に恩師の上野光一教授の下、肝障害誘発物質の免疫毒性に関する研究を行ったのがきっかけでした。当時は、利根川 進先生がノーベル生理学・医学賞を受賞され、免疫学が国民に広く認識され始めた時代でした。私は、先輩から教わったマウスの抗体産生の実験がとても神秘的に感じられ、免疫学に深く興味を持つようになり、その後就職した製薬企業でも免疫薬理の研究グループで6年間自己免疫疾患治療薬の研究に従事致しました。

 その後、薬剤師業務に携わり、さらに新薬開発の治験業務にも携わって参りましたが、免疫学領域には縁があり、担当した新薬2剤ともに自己免疫疾患の治療薬でした。現在は、母校の千葉大学教員に着任し、ヒスタミンH4受容体とアレルギー性皮膚炎および掻痒に関する研究、関節リウマチにおける滑膜細胞および軟骨細胞とH4受容体の役割の解明を目指した研究活動に当たっております。

 本年の第17回本学会学術大会(つくば)で初めて発表させて頂きましたが、私の未熟な研究成果に対し、会場の先生方はとても真剣に耳を傾けて下さり、多くの質問を頂く事が出来ました。感動したのは、いずれの質問にも研究仲間という視点からのアドバイスやメッセージが込められていて、とてもアットホームな学会であると感じました。また、参加者が医学、薬学、製薬関係等異職種でバランス良く構成されているためか、各専門の視点からの意見が絶妙にハーモナイズし、どの演題でもとても活発で有意義な討論が行われていたと感じました。私は、招聘講演をされたアルバータ大学A Dean Befus博士のマスト細胞に関する研究に感銘を受け、本年はマスト細胞に焦点を当てて研究を進めようと触発もされました。

 来年の第18回日本免疫毒性学会学術大会は当研究室の上野光一教授を年会長として開催されます。私も事務局を務めさせて頂きますので、2011年9月8日(木)・9日(金)は是非千葉大学まで足を運んで頂きますよう宜しくお願い申し上げます。詳細につきましては学術大会ホームページ(http://jsit18.umin.ne.jp)に掲載致しますので、ご閲覧賜れば幸いです。
 
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