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理事長(2005-2007)挨拶
免疫の視点から健康の安全性を科学する学際的学会へ
2007.5.25 大沢 基保
 
img-oosawa.jpg 免疫毒性研究会の発足から日本免疫毒性学会の設立を経て、わが国の免疫毒性研究の育成に大黒柱としてご盡力下さった名倉 宏初代学会長の後をお引き受けして、はや2期目も後半になろうとしています。その間に学会長の名称も理事長と、厳めしい呼称に変わりました。その任に値する役割を果たして来たか省みますと、いささか遅い歩みですが、当初の目標として、学問の起業家精神を継承して「21世紀の免疫毒性研究」の展望を発展させること、学会の組織を整えること、学会運営を風通しのよいものにすること、などを掲げて、研究推進と運営の円滑化を図ってきました。

 研究推進の面からは、研究分野を確立するという当初の目的を達し得た現在、本学会の活動も、免疫毒性の個別の課題について健康安全科学としての視点と具体的成果を示し、一方、もう少しいろいろな分野からの研究者に参加してもらい、学際的な観点を加えてより普遍性のある免疫毒性研究に発展させるべき時期になっています。具体的には、パラダイムとなるような免疫毒性の機序解析や、より特異的な分子マーカーの開発、免疫毒性・アレルギー感受性機構の解析、免疫毒性リスクの評価、免疫毒性が関与する薬の副作用の軽減・防止手段の開発、免疫毒性と免疫薬理の連関などの課題があげられます。また、免疫毒性研究の国際的な広がりにより、研究の国際交流と共同・協力が必要になっています。これらの交流・協力母体として本学会の果たすべき役割は大きく、欧米やアジアの免疫毒性研究組織や研究者との連携を具体化する予定です。

 さらに、会員のニーズにより応えやすい学会であるよう、本学会の運営の方法も見直されてきました。評議員制の新設はそのような一つの試みでした。また、今回は、より円滑に会員への連絡や技術情報の提供、および会員間の意見交換が行えるよう、学会ホームページの開設と情報の電子化について、事務局を中心に検討していただきました。ImmunoTox Letterのバックナンバーも参照できるようになりました。会員諸氏には新しいメディアを研究情報・意見の交換や共同研究に活用していただき、学会活動のさらなる活性化に気軽にかつ積極的に参加して頂ければ幸いです。
 
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